AIF / ドメイン2 生成AIの基礎
重要な内容
エージェント型AIの基礎
(エージェンティックAI) は、目標を与えると自分で手順を考え、ツールを使いながら作業を進めるAIです。 AIF-C01では、との違い、の構成、、メモリー管理、ワークフローの組み立て方が問われます。
概要
通常のは、1回の依頼に対して1回の応答を返します。 は、を「考える部品」として使い、計画、ツールの呼び出し、結果の確認を繰り返して目標まで進みます。
この「考える → 行動する → 観察する」の繰り返しを、と呼びます。
| 種類 | できること | 例 |
|---|---|---|
| データから規則を学び、予測や分類をします。 | 需要予測、不正検出 | |
| 生成AI | 文章や画像などを新しく作ります。 | 要約、翻訳、文章作成 |
| エージェント型AI | 生成AIに計画とツールの実行を組み合わせ、複数の手順を自律的にこなします。 | 問い合わせを調べて返金処理まで行う |
試験では、「1回の質問応答で足りるか」「複数の手順と外部システムの操作が必要か」を見分け、エージェントを使うべき場面を判断します。
Point
- Agentic AI = エージェント型AI。試験ガイドでは「エージェンティックAI」と書かれます。
- agent は「代理人」です。利用者の代わりに作業を進めるAIという意味です。
- 覚え方: 生成AIは「答える」、エージェント型AIは「やり遂げる」 です。
- 和訳
- agent: 代理人、代理店
- Weblio英和辞書「agent」
主要技術
①エージェントの構成要素 ⚠️ 頻出
| 要素 | 役割 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 依頼を理解し、次に何をするかを決めます。 | の能力と、応答の速さや単価のバランスで選びます。 | |
| 指示 () | 役割、守る方針、使ってよい範囲を定めます。 | 曖昧な指示は誤った行動につながります。 |
| ツール | 、データベース、検索、コード実行などの外部の機能です。 | 何を操作できるかがエージェントの能力の上限になります。 |
| メモリー | 会話や過去の結果を覚えておきます。 | 短期と長期を分けて考えます。 |
| 手順の順番や分岐、繰り返しを制御します。 | モデルに任せるか、流れを固定するかを選びます。 |
⚠️ 頻出: エージェントの特徴は「計画」と「」です。外部の操作がなく、文書を根拠に答えるだけならで足ります。
②ツールの使用
は、自分ではを呼べません。 モデルは「このツールをこの引数で呼ぶ」という指示を出し、アプリケーション側が実行して結果をモデルへ返します。
| 設計の観点 | 内容 |
|---|---|
| ツールの説明文 | モデルは説明文を読んでツールを選びます。用途と引数を具体的に書きます。 |
| 権限の最小化 | ツールが操作できる範囲を必要最小限に絞ります。 |
| 人間の承認 | 送金や削除など取り消せない操作の前に、人の確認を挟みます。 |
| 外部との接続の標準 | ツールの接続方法をそろえる標準として、 (Model Context Protocol) があります。 |
③マルチエージェントのパターン ⚠️ 頻出
1つのエージェントに何でも任せると、指示が長くなり、ツールも増えて判断を誤りやすくなります。 役割ごとに専門のエージェントを分け、協調させる構成をシステムと呼びます。
| パターン | 仕組み | 向く場面 |
|---|---|---|
| 監督役と専門役 (スーパーバイザー) | 監督役のエージェントが依頼を分解し、専門のエージェントへ割り振って結果をまとめます。 | 業務が分野ごとに分かれている問い合わせ窓口 |
| エージェントをツールとして使う | 専門のエージェントを、ほかのエージェントから呼べるツールとして扱います。 | 主となるエージェントが全体の制御を保ちたい場合 |
| 群れ (スウォーム) | 対等なエージェントが共有の情報を見ながら、次の担当へ作業を引き継ぎます。 | 進め方を事前に決めにくい調査やアイデア出し |
| グラフ | エージェントを処理の節点とし、条件付きの経路を明示して流れを決めます。 | 承認や品質確認の関門がある業務 |
| ワークフロー (順次・並列) | 決まった順番、または並列で処理を進めます。 | 手順が決まっている定型処理 |
⚠️ 頻出: 手順が決まっていて結果を再現したいなら、流れを固定するグラフやワークフローを選びます。進め方を事前に決められないなら、エージェント同士に判断を任せる構成を選びます。
④エージェント間の通信
| 方式 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 階層型 | 監督役だけが専門役と通信します。 | 監督役に処理が集中します。 |
| 引き継ぎ (ハンドオフ) | 担当を次のエージェントへ渡します。会話の文脈も一緒に渡します。 | 渡す情報が欠けると同じ質問を繰り返します。 |
| 共有メモリー | 複数のエージェントが同じ記録を読み書きします。 | 書き込みの競合や古い情報に注意します。 |
| エージェント間のプロトコル | 別の仕組みで作られたエージェント同士をつなぐ標準です。 (Agent-to-Agent) プロトコルが代表です。 | 相手の能力を記述した情報で、呼べる機能を確認します。 |
Point
- A2A = Agent-to-Agent の略で、エージェント同士がやり取りするための公開された標準です。
- MCP はエージェントとツールやデータをつなぐ標準、A2A はエージェントとエージェントをつなぐ標準です。
⑤メモリー管理
は呼び出しのたびに過去を覚えていません。 エージェントは、必要な情報をメモリーに保存し、次の判断で使います。
| 種類 | 保持する範囲 | 例 |
|---|---|---|
| 短期メモリー | 1つの会話 (セッション) の中の発言と結果 | 「では明日は?」が直前の話題を指すと分かる |
| 長期メモリー | セッションをまたいで残す要点、好み、事実 | 「窓側の席が好き」を次回の予約で使う |
| 作業の状態 | 複数手順の進み具合 | 承認の何段目まで終わったか |
| 設計の観点 | 内容 |
|---|---|
| 要約 | 長い会話を要約して保存し、モデルに渡す量を抑えます。 |
| 利用者ごとの分離 | 他人の記憶が混ざらないよう、利用者単位で分けます。 |
| 保持期間と削除 | を含むため、保持期間と削除の手段を決めます。 |
⑥ワークフローのオーケストレーション
| 方式 | 決め方 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| モデル主導 | が次の手順を判断します。 | 想定外の依頼にも柔軟に対応します。 | 結果が毎回変わり、手順を誤ることがあります。 |
| 決定的なワークフロー | 開発者が順番と分岐を固定します。 | 再現性が高く、監査しやすいです。 | 想定外の依頼に弱いです。 |
| 組み合わせ | 大枠を固定し、各段の中でモデルに判断させます。 | 柔軟さと再現性を両立します。 | 設計が複雑になります。 |
AWSでは、エージェントを本番で動かす基盤としてがあり、エージェントを組み立てるオープンソースのとしてがあります。
試験対策
①判断マトリクス
| 問題文のキーワード | 選ぶもの |
|---|---|
| 複数の手順を自律的に進め、外部システムを操作したい | |
| 社内文書を根拠に答えるだけ | (エージェントは不要) |
| 分野ごとに専門の担当を分けたい | (監督役と専門役) |
| 手順と承認の関門を固定したい | グラフやワークフロー |
| 会話をまたいで利用者の好みを覚えたい | 長期メモリー |
| エージェントを外部のツールやデータへ標準の方法でつなぎたい | |
| 別の仕組みのエージェント同士を連携させたい | プロトコル |
| 取り消せない操作を任せる | と人間の承認 |
②よくある誤答
- エージェントを常に最良の構成と考えること。単純な質問応答では、遅く高くなるだけです。
- が直接を呼ぶと考えること。呼び出しを実行するのはアプリケーション側です。
- エージェントを増やせば精度が上がると考えること。役割が重なると判断が混乱します。
- メモリーに何でも残すこと。の保持期間と利用者ごとの分離が必要です。