AIF / ドメイン1 AIとMLの基礎
重要な内容
機械学習開発ライフサイクル
の開発は、データを集めてモデルを作れば終わりではありません。 AIF-C01では、各工程の名前と目的、そこで使うAWSサービスを結び付けて答えられることが求められます。
概要
開発ライフサイクルは、業務課題の定義から始まり、運用と監視を経てへ戻る循環です。
工程の中で最も時間がかかるのは、データ収集から前処理までの前半です。 試験では「精度が上がらないときにまず見るのはどこか」という文脈で、データ側の工程が答えになることが多くあります。
主要技術
①業務課題の定義
最初に、何をどれだけ改善したいのかを業務の言葉で決めます。 ここで決めた業務指標が、後の評価の基準になります。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 解きたい課題 | 問い合わせの一次対応を自動化したい |
| のタスク | |
| 成功の基準 | 一次対応の自動化率60パーセント、誤振り分け率5パーセント以下 |
| 許容できる誤り | 誤振り分けは人間が修正できる |
⚠️ 頻出: 課題定義を飛ばしてモデルを作り始めるのは典型的な失敗です。評価の基準がないため、良し悪しを判定できません。
②データ収集と探索的データ分析
必要なデータを集め、その中身を確認します。 (EDA) では、分布、欠損、、相関、偏りを見ます。
| 工程 | 目的 | AWSサービスの例 |
|---|---|---|
| データ収集 | 学習に使うデータを集約します。 | 、 |
| 探索的データ分析 | 傾向と品質を確認します。 | Studio、、(旧 Amazon QuickSight) |
Point
- EDA = Exploratory Data Analysis(探索的データ分析) の略です。
- explore は「探索する」 で、仮説を決め打ちせずデータを眺めて性質をつかむ作業を指します。
- 和訳
- exploratory: 探索的な、調査の
- Weblio英和辞書「exploratory」
③前処理と特徴量エンジニアリング
学習できる形へデータを整えます。
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| 欠損値の処理 | 補完するか、その行を除きます。 |
| 正規化・標準化 | 値の範囲を揃えます。 |
| カテゴリー変数の変換 | 文字列を数値表現へ変えます。 |
| 生データから予測に効く特徴を作り出します。 | |
| データ分割 | 学習用、検証用、テスト用に分けます。 |
特徴量エンジニアリングは、従来のでは精度への影響が大きい工程です。 やではモデル側が特徴を学ぶため、この工程の比重は下がります。
⚠️ 頻出: 検証用とテスト用のデータを学習に使うとデータ漏えい (リーク) が起き、評価が実際より良く見えます。
| AWSサービス | 役割 |
|---|---|
| Data Wrangler | 前処理と変換をGUI中心で行います。 |
| Amazon SageMaker Feature Store | 作ったを保存し、学習とで共有します。 |
| 、 | 大規模なデータ変換とクレンジングを行います。 |
④学習とハイパーパラメーター調整
用意したデータでモデルを学習させ、設定値を調整して性能を上げます。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 学習ジョブ | データとアルゴリズムを指定してモデルを作る処理です。 |
| 学習率、バッチサイズ、エポック数など、学習前に人間が決める値です。 | |
| 自動モデルチューニング | ハイパーパラメーターの組み合わせを自動で探索します。 |
の自動モデルチューニングは、この探索を並列に実行します。
⑤評価
学習に使っていないデータでモデルの性能を測ります。 機械的な指標と業務指標の両方で判断します。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| モデルの指標 | 、、、、、 |
| 業務の指標 | 自動化率、対応時間の削減、売上への寄与、1件あたりのコスト |
⚠️ 頻出: モデルの指標が良くても業務指標が改善しないなら、そのモデルは本番へ出す価値がありません。
⑥デプロイと推論の形
評価を通ったモデルを本番で使える形にします。 の形は要件によって選びます。
| 推論の形 | 特徴 | 向く要件 |
|---|---|---|
| 常時稼働の推論へ都度リクエストします。 | 低遅延の応答が必要な場面 | |
| リクエストに応じて自動で起動と縮退をします。 | 断続的なトラフィック | |
| 大きな入力をキュー経由で処理します。 | 処理時間が長い推論 | |
| バッチ変換 | 大量データを一括で処理します。 | 夜間の一括スコアリング |
また、モデルの入手方法にも選択肢があります。
| 入手方法 | 内容 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| マネージドの利用 | やAI サービスのAPIを呼び出します。 | 運用負荷を最小にしたい場合 |
| 済みモデルの利用 | などから取得して調整します。 | 自社データで調整したい場合 |
| 自前での学習 | データを用意して学習させます。 | 独自性が競争力になる場合 |
⑦監視と再学習
本番運用後は、入力データの傾向やモデルの性能を継続的に監視します。
| 監視の対象 | 起きる問題 | 対応 |
|---|---|---|
| 入力データの分布 | を検討します。 | |
| 予測の分布と精度 | 再学習またはモデル差し替えを行います。 | |
| 指標 | 属性間の偏りの拡大 | データとを見直します。 |
| 遅延とエラー率 | 応答遅延、失敗 | 実行基盤を見直します。 |
これらの監視を担ってきた Model Monitorは、2026年7月30日に新規の利用者の受け付けを終えました。新しく作る場合は、AWSが案内する監視ソリューション (SageMaker AIのMLflowとEvidently AI) とで、データ品質、モデル品質、バイアスのずれを監視します。
⑧生成AIを含むパイプラインとAWSのサービス
を使うアプリケーションでも、課題の定義、データの準備、評価、デプロイ、監視という流れは同じです。 ただし、モデルを一から学習させる代わりに、既存の基盤モデルを選んで使うことが多くなります。
| 工程 | 主なサービス | 役割 |
|---|---|---|
| データの分析と可視化 | () | データを可視化し、業務の指標や効果を確かめます。 |
| モデルの選択と呼び出し | 基盤モデルを選び、で呼び出します。やも組み合わせます。 | |
| 独自モデルの学習と運用 | 自社データでモデルを学習させ、の環境を運用します。 | |
| アプリケーションの開発 | 要件、設計、タスクを文書にしてから、AIエージェントにコードを書かせます。 | |
| 業務利用者への提供 | Amazon Quick | 社内データに基づく回答や業務の自動化を、開発せずに提供します。 |
試験対策
①工程とサービスの対応
| 問題文のキーワード | 工程 | 代表的なサービス |
|---|---|---|
| データの分布や欠損を確認したい | Studio、 | |
| ラベルを付けたい | データ準備 | 社内の担当者や委託先による注釈と、複数人の判定の集約 |
| 前処理をGUIで行いたい | 前処理 | SageMaker Data Wrangler |
| を学習とで共有したい | 特徴量管理 | SageMaker Feature Store |
| 設定値の最適な組み合わせを探したい | 調整 | SageMaker AIの自動モデルチューニング |
| 学習からデプロイまで自動化したい | ワークフロー | SageMaker Pipelines |
| 本番の精度低下を検知したい | 監視 | 監視ソリューションと |
| 夜間に大量データをまとめて推論したい | 推論 | バッチ変換 |
| を選んでで呼び出したい | モデルの選択と推論 | |
| アプリケーションを仕様から開発したい | アプリケーションの開発 |
②よくある誤答
- 精度不足の対策としてアルゴリズム変更を第一に選ぶこと。多くの場合はデータの量、品質、が原因です。
- で調整を繰り返すこと。テストデータは最終確認用に取り置きます。
- デプロイで完了と考えること。監視とまで含めて運用です。
- 新しく作る構成で Ground TruthやModel Monitorを選ぶこと。どちらも2026年7月30日に新規の利用者の受け付けを終えています。