AIF / ドメイン1 AIとMLの基礎
機械学習で扱うデータの種類
の結果はデータの質でほぼ決まります。 そのため試験では、「この要件で扱っているデータはどの種類か」「そのデータにどの学習方法が使えるか」を判断させる問題が出ます。
この章では、ラベルの有無、構造の有無、データの形式という3つの切り口を整理します。
概要
データは次の3つの軸で分類できます。 問題文にデータの説明が出てきたら、この3軸のどこに当たるかを読み取ります。
ラベルとは、そのデータに対する正解の情報です。 「この画像は猫である」「この取引は不正である」といった答えが付いている状態をと呼びます。
試験では、ラベル付きデータがあるかどうかが、を選べるかの分かれ目になります。
主要技術
①ラベル付きデータとラベルなしデータ ⚠️ 頻出
| 種類 | 説明 | 使える学習方法 | 用意する負荷 |
|---|---|---|---|
| 入力と正解の組が揃っています。 | (分類、) | 人手の注釈が必要で高コストです。 | |
| 入力だけがあり、正解は付いていません。 | (、) | 収集だけで済み、量を集めやすいです。 |
の作業は人手が要るため、社内の担当者や委託先に注釈を任せ、複数人の判定を集約して品質を確かめます。注釈作業を管理する Ground Truthは、2026年7月30日に新規の利用者の受け付けを終えました (既存の利用者は継続して使えます) 。
⚠️ 頻出: 「がない大量のデータからグループを見つけたい」という要件は教師なし学習です。ラベルを作らずにを学習させることはできません。
Point
- labeled data = ラベル付きデータ、unlabeled data = ラベルなしデータ です。
- label は「札、ラベル」 で、データに正解の札を貼るイメージです。
- 和訳
- label: ラベル、札を付ける
- Weblio英和辞書「label」
②構造化データと非構造化データ
| 種類 | 説明 | 例 | 主な保管先 |
|---|---|---|---|
| 行と列の決まった形に収まります。 | データベースのテーブル、CSV | 、 | |
| 半構造化データ | 決まった行と列はないが、要素に意味づけがあります。 | 、XML、ログ | 、 |
| 決まった形を持ちません。 | 画像、音声、動画、自由記述の文章 | Amazon S3 |
が扱うデータは、文章や画像などの非構造化データが中心です。 そのため、生成AIの構成ではAmazon S3がデータの置き場所として繰り返し登場します。
③データ形式ごとの特徴
| 形式 | 特徴 | 代表的なタスク |
|---|---|---|
| 表形式 (tabular) | 行がレコード、列がです。 | 需要予測、離脱予測、与信判断 |
| 時系列 (time-series) | 時刻の順序に意味があります。 | 売上予測、 |
| 画像 | 画素の配列です。 | 画像分類、 |
| テキスト | 文字の並びです。 | 感情分析、要約、翻訳 |
| 音声 | 波形データです。 | 文字起こし、話者分離 |
時系列データは、順序を崩してはいけない点が特徴です。 とを無作為に分けると未来の情報が学習側へ混ざるため、時間で区切って分けます。
④データ品質の観点
データの量が十分でも、次の観点が満たされないとモデルは使えません。
| 観点 | 意味 | 問題が起きたときの症状 |
|---|---|---|
| 完全性 | 欠損値が少ないことです。 | 欠損の多いが予測を乱します。 |
| 正確性 | ラベルや値が正しいことです。 | 誤ったラベルを学び、精度が上がりません。 |
| 一貫性 | 表記や単位が揃っていることです。 | 同じ意味の値が別物として扱われます。 |
| 実際に使う場面の分布を写していることです。 | 特定の集団でだけ精度が落ちます () 。 | |
| 適時性 | データが古すぎないことです。 | 傾向の変化に追従できません () 。 |
⚠️ 頻出: 「学習時と本番でデータの傾向が変わり精度が落ちた」という記述はデータドリフトです。本番の入力の統計を学習時のベースラインと比べて検知します。新しく作るなら、AWSが案内する監視ソリューション (のMLflowとEvidently AI) とを使います (Amazon SageMaker Model Monitorは2026年7月30日に新規の受け付けを終えました) 。
試験対策
①判断マトリクス
| 問題文のキーワード | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| が付いた過去の実績データ | が使えます。 | 入力と正解の組が揃っています。 |
| ラベルがない大量のデータ | を検討します。 | 正解がないためは学習できません。 |
| 画像、音声、自由記述の文章 | です。 | へ保管し、やで扱います。 |
| 日付ごとの売上や計測値 | 時系列データです。 | 時間で分割し、順序を保ちます。 |
| 特定の属性でだけ精度が低い | の不足 () です。 | データの偏りを疑います。 |
| 本番運用中に徐々に精度が落ちた | です。 | 入力データの分布が変化しています。 |
②よくある誤答
- でを学習できると考えること。分類にはが必要です。
- 時系列データを無作為分割すること。未来の情報が漏れて評価が甘くなります。
- データ量を増やせば偏りが消えると考えること。偏った収集方法のままでは量を増やしても偏りは残ります。