AIF / ドメイン5 AIソリューションのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス
重要な内容
生成AIセキュリティスコーピングマトリックス
(Generative AI Security Scoping Matrix) は、の使い方を5つの範囲 (スコープ) に分け、範囲ごとに必要なセキュリティとを整理するAWSの枠組みです。 AIF-C01では、ガバナンスの枠組みの代表例として問われます。
概要
同じ「を使う」でも、外部の公開チャットを使うのと、自社でモデルを一から学習させるのとでは、自社が責任を持つ範囲が大きく違います。 は、モデルとデータをどれだけ自社で持つかによって、使い方を範囲1から範囲5へ並べます。
| 範囲 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| 範囲1: 一般向けアプリ | 一般に公開された生成AIのサービスを使います。やモデルを見ることも変えることもできません。 | 社員が公開のチャットサービスで企画のアイデアを出す |
| 範囲2: 企業向けアプリ | 生成AIの機能が組み込まれた他社の業務アプリを、企業向けの契約で使います。 | 議題の下書きを作る機能付きの予定管理アプリ |
| 範囲3: 済みモデル | 他社のをで呼び、自社のアプリケーションを作ります。 | のモデルと自社データので作る問い合わせ窓口 |
| 範囲4: 済みモデル | 他社の基盤モデルを自社のデータで調整し、専用のモデルを作ります。 | 医療用語で調整し、カルテを要約するモデル |
| 範囲5: 自社で学習したモデル | 自社が持つデータや取得したデータで、モデルを一から学習させます。 | 自社で学習させた動画生成のモデル |
範囲1と2は他社のサービスを「使う」立場、範囲3から5は自社でアプリケーションやモデルを「作る」立場です。 範囲の数字が大きいほど、自社が管理する範囲と責任が広がります。
試験では、問題文の使い方がどの範囲に当たるかを見分け、その範囲で必要な対策を選びます。
Point
- scope は「範囲」、scoping は「範囲を定めること」です。
- matrix は「行列、表」です。範囲 (列) と考慮すべき分野 (行) の表で整理することから、こう呼ばれます。
- 和訳
- scope: 範囲、領域
- Weblio英和辞書「scope」
主要技術
①考慮する5つの分野 ⚠️ 頻出
各範囲について、次の5つの分野を検討します。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| と | 事業を進めながらリスクを抑えるための方針、手順、報告です。 |
| 法務とプライバシー | を使う、または作るときの規制、法律、プライバシーの要件です。 |
| リスク管理 | 生成AIへの脅威を洗い出し、軽減策を決めます。 |
| 統制 (コントロール) | リスクを軽減するためのセキュリティの対策を実装します。 |
| 回復力 (レジリエンス) | 可用性を保ち、事業上のサービス水準を満たすように設計します。 |
②範囲ごとの主な関心事
| 範囲 | 自社が主に管理すること | 主な対策 |
|---|---|---|
| 範囲1 | 社員の使い方と、入力する情報 | 利用の方針、機密情報を入力しない教育、利用できるサービスの限定 |
| 範囲2 | 契約の条件と、提供元のデータの扱い | 利用規約と契約の確認、データの保持と学習への利用の有無の確認 |
| 範囲3 | 自社のアプリケーション、、のデータ | アクセス制御、入出力の、対策、ログ |
| 範囲4 | 上記に加え、調整に使うデータと調整済みのモデル | の品質と権利、モデルへのアクセス制御、暗号化 |
| 範囲5 | 上記に加え、学習データの全体とモデルのすべて | 学習データの来歴、偏りの評価、モデルの全工程の管理 |
⚠️ 頻出: 自社のデータでしたモデル (範囲4) は、学習に使った機密情報を出力してしまうおそれがあります。調整済みのモデルへのアクセスも、元のデータと同じ水準で制御します。
③責任共有モデルとの関係
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 共通の考え方 | AWSはクラウドの基盤を守り、利用者はその上に置くデータ、権限、アプリケーションを守ります。 |
| 範囲との関係 | 範囲が大きくなるほど、利用者が守る対象 (、モデル、の環境) が増えます。 |
| を使う場合 | 主に範囲3と範囲4に当たります。モデルの基盤はAWSが管理し、利用者はアプリケーション、データ、権限、を設計します。 |
④ガバナンスの進め方での使い方
| 使い方 | 内容 |
|---|---|
| 利用の棚卸し | 社内のの使い方を洗い出し、範囲ごとに分類します。 |
| 方針の作成 | 範囲ごとに、許可する使い方と必要な審査を決めます。 |
| 審査の周期 | 新しい使い方の追加やモデルの更新のたびに見直します。 |
| 教育 | 範囲1や2の利用者にも、入力してよい情報の基準を教えます。 |
| AIを使っていることと、その限界を利用者へ伝えます。 |
⑤関連するAWSのサービス
| 目的 | サービス |
|---|---|
| 権限の制御 | |
| 生成内容の制御 | |
| 操作の記録 | |
| 設定の監視 | |
| 機密データの発見 | |
| 監査報告書の入手 |
試験対策
①判断マトリクス
| 問題文のキーワード | 当たる範囲 |
|---|---|
| 社員が公開のチャットを使う | 範囲1: 一般向けアプリ |
| 生成AIの機能付きの他社の業務アプリを契約して使う | 範囲2: 企業向けアプリ |
| のモデルを呼び、で自社アプリを作る | 範囲3: 済みモデル |
| を自社データでする | 範囲4: ファインチューニング済みモデル |
| モデルを自社のデータで一から学習させる | 範囲5: 自社で学習したモデル |
| 生成AIの利用をリスクの観点で分類し、必要な対策を決めたい |
②よくある誤答
- 範囲1や2では自社の対策が不要と考えること。入力する情報の方針と教育が必要です。
- を使うアプリケーションを範囲4と考えること。モデルを調整していなければ範囲3です。
- をAWSのサービス名と考えること。リスクと対策を整理する枠組みです。