AIF / ドメイン5 AIソリューションのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス
重要な内容
ハルシネーションの検出とグラウンディング
は、が事実と異なる内容や根拠のない内容を、もっともらしく出力してしまう現象です。 AIF-C01では、出力の正確さを高めるための検出の方法と、根拠に基づかせる手法 (による、出力の検証、) が問われます。
概要
は、モデルの仕組み上、完全にはなくせません。 そのため、「根拠を与えて起きにくくする」「出力を検査して見つける」「確信の低いものは人へ回す」を重ねて対策します。
| 段階 | 目的 | 主な手段 |
|---|---|---|
| 起きにくくする | モデルに根拠を与えます。 | による、明確な指示、低い |
| 見つける | 出力が根拠や規則に合うかを調べます。 | 、、出力の検証 |
| 扱いを分ける | 確信の低い出力を自動で使わないようにします。 | のしきい値、人間による確認 |
試験では、要件に合わせて「どの段階の対策を選ぶか」を判断します。
Point
- hallucination は「幻覚」です。モデルが存在しない事実を見たかのように語ることから、こう呼ばれます。
- grounding は「接地」です。回答を根拠となる情報に結び付ける (地に足をつける) という意味です。
- 和訳
- grounding: 基礎、接地
- Weblio英和辞書「grounding」
主要技術
①RAGによるグラウンディング ⚠️ 頻出
モデルの学習済みの知識だけに頼らず、検索した社内文書を根拠として渡して答えさせます。
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 根拠の文書を渡す | 最新で正確な情報に基づいて答えさせます。 |
| 出典 (引用) を示す | 利用者が回答の根拠を確かめられます。 |
| 文書にないことは答えないよう指示する | 推測で埋めることを減らします。 |
| 検索の質を上げる | 関係の薄い文書による誤答を減らします。 |
⚠️ 頻出: 「社内の正しい情報に基づいて答えさせ、根拠も示したい」ならです。は回答に出典を付けられます。
②根拠の確認の検査 (コンテキストに基づくグラウンディングチェック) ⚠️ 頻出
には、参照の情報と質問を使って、回答のを検出して除外する機能があります。
| 観点 | 確かめること | 低いスコアになる例 |
|---|---|---|
| 回答が参照の情報に基づいていて、事実として正しいか | 参照の情報にない内容を付け加えた回答 | |
| 関連性 | 回答が利用者の質問に答えているか | 参照の情報には合っているが、質問と関係のない回答 |
| 設定 | 内容 |
|---|---|
| 回答ごとに、グラウンディングと関連性のスコアが計算されます。 | |
| しきい値 | スコアがしきい値を下回る回答をハルシネーションとして遮ります。しきい値を上げるほど厳しくなります。 |
| 必要なもの | 参照の情報、質問、検査する回答の3つです。 |
| 向く用途 | 要約、言い換え、質問応答です。 |
⚠️ 頻出: しきい値を上げすぎると、正しい回答まで遮ります。誤りを通すリスクと、正しい回答を遮るリスクのバランスで決めます。
③自動推論による確認 (Automated Reasoning checks)
規則が複雑で、誤りが法令や契約の問題になる業務 (人事、金融、保険の適格性など) では、より厳密な検証が必要です。 は、社内規程などの文書から論理の規則を作り、回答が規則と矛盾しないかを数学的な手法で検証します。
| 観点 | 自動推論による確認 | |
|---|---|---|
| 照らし合わせる相手 | 呼び出しのときに渡した参照の情報 | 事前に文書から作った規則 (ポリシー) |
| 結果 | スコアとしきい値で遮ります。 | 正しい、誤っている、前提が足りない、などの判定と理由を返します。 |
| 向く場面 | や要約の回答の確認 | 規程に沿った判断の説明が必要な業務 |
自動推論による確認は、内容を遮るのではなく、判定と理由を返します。 対応する言語は、現在は英語 (米国) だけです。日本語の規程と回答には使えないことに注意します。 アプリケーションは、その結果を見て、回答を返すか、直させるか、利用者に確認するかを決めます。
④出力の検証
| 方法 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 形式の検証 | 決めた形式 (の項目など) に合うかを確かめます。 | 必須の項目が欠けていないか |
| 規則による検証 | 業務の規則に合うかを確かめます。 | 金額が上限を超えていないか |
| 情報源との照合 | データベースやの正しい値と比べます。 | 在庫数や価格が実際の値と一致するか |
| 別のモデルによる確認 | 別のモデルに回答の根拠を確かめさせます。 | 要約が元の文書と矛盾しないか |
| 自己一貫性の確認 | 同じ質問を複数回して、答えが一致するかを見ます。 | 回答がばらつくなら確信が低いと判断します |
⑤信頼度スコアリングと人間の確認
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 回答がどれだけ確かかを数値で表し、しきい値で扱いを分けます。 | |
| 低い信頼度の扱い | 自動で使わず、人の確認へ回します。または「分かりません」と答えさせます。 |
| 人の確認の流れ | 確度の低い出力を担当者の確認待ちに回し、確認後に使います。 (A2I) はこの流れを作るサービスですが、新規の利用者は受け付けていません。 |
| 利用者の評価 | 誤りの報告を集め、改善に使います。 |
⚠️ 頻出: 誤りの影響が大きい業務では、信頼度の低い出力を人の確認へ回す設計が正解になります。
⑥そのほかの抑え方
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| を下げる | 出力のばらつきを抑えます。ただし、根拠がなければ誤りは残ります。 |
| 明確な指示 | 「文書にない場合は分からないと答える」と指示します。 |
| 用途に合うモデル | 用途で評価したモデルを選びます。 |
| 評価の継続 | 本番の回答を継続して評価し、誤りの傾向を見つけます。 |
試験対策
①判断マトリクス
| 問題文のキーワード | 選ぶもの |
|---|---|
| 社内の正しい情報に基づいて答えさせたい | による |
| 回答の根拠を利用者に示したい | 出典 (引用) の提示 |
| 参照の情報に基づかない回答を自動で遮りたい | Guardrailsの |
| 質問と関係のない回答を遮りたい | 根拠の確認の検査の関連性 |
| 社内規程に沿った判断かを厳密に検証したい | |
| 金額や在庫などの値の正しさを確かめたい | データベースやとの照合 |
| 確信の低い回答を人が確かめてから使いたい | のしきい値と人間の確認 |
②よくある誤答
- を0にすればがなくなると考えること。ばらつきは減りますが、根拠のない誤りは残ります。
- で最新の事実を確実に覚えさせられると考えること。最新の知識を根拠にするならです。
- しきい値は高いほど良いと考えること。正しい回答まで遮る副作用があります。
- ハルシネーションを完全になくせると考えること。検出と人の確認を組み合わせて扱います。