CLF / ドメイン3 クラウドテクノロジーとサービス
重要な内容
Amazon CloudWatch
は、AWSリソースとアプリケーションの状態を監視()するサービスです。 使用率などの性能データをとして集め、しきい値を超えたときに通知するや、ログの集約・保管の機能を提供します。
CLF では、CloudWatch の基本機能(メトリクス・アラーム・ログ・ダッシュボード)と、 や といった他の記録系サービスとの使い分けを判断できることが重要です。
Point
- Watch(ウォッチ) は「見張る、監視する」という意味です。CloudWatch は「クラウドを見張るサービス」と覚えます。
- 監視は英語で Monitoring(モニタリング) といいます。試験で「モニタリングサービス」とあれば、まず CloudWatch を考えます。
- 和訳
- watch: 見張る、注意して見る
- Weblio英和辞書「watch」
概要
サーバーの負荷が高すぎないか、アプリケーションがエラーを出していないか、といったシステムの健康状態は、運用中は常に確認が必要です。 を使うと、 や など多くのAWSサービスから性能データやログを自動的に集め、1か所で確認したり、異常時に通知したりできます。
CloudWatch は、主に次の要素を組み合わせて使います。
代表的な使い道は、EC2 の 使用率の監視、しきい値超過時のメール通知、負荷に応じた の自動実行、アプリケーションログの一元管理です。
試験では、「性能の監視は CloudWatch」「操作の記録は 」「リソース構成の変更履歴は 」という役割の違いを判断します。
主要技術
①メトリクス ⚠️ 頻出
は、使用率のように時間とともに変化する値を、時系列データとして記録したものです。 多くのAWSサービスは、追加の設定なしで標準メトリクスを へ自動的に送信します。
| 標準メトリクスの例 | 対象サービスの例 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| CPU使用率(CPUUtilization) | 、 など | インスタンスの負荷を確認する基本のメトリクスです。 |
| ディスクの読み書き量 | EC2 | ストレージへのアクセス量を確認します。 |
| ネットワーク送受信量 | EC2 | 通信量の急増などを確認します。 |
| ステータスチェック | EC2 | インスタンスが正常に動作しているかを確認します。 |
EC2 のメトリクス送信間隔には2つのモードがあります。
| モード | 送信間隔 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 基本 | 5分間隔 | 初期設定で、追加料金なしで利用できます。 |
| 詳細モニタリング | 1分間隔 | より細かく監視したい場合に有効化します。追加料金がかかります。 |
⚠️ 頻出: EC2 のメモリ使用率や 内のディスク使用率は、標準メトリクスには含まれません。取得するには CloudWatch エージェントの導入や、カスタムメトリクスとしての送信が必要です。
Point
- Metric(メトリック) は「測定基準、指標」という意味です。日本語では複数形の「メトリクス」で呼ぶのが一般的です。
- CPUUtilization の Utilization(ユーティライゼーション) は「利用率」という意味です。
- 自分で送信する独自の指標は カスタムメトリクス と呼びます。「標準にない値を監視したい」場合の答えになります。
- 和訳
- metric: 測定基準、指標
- Weblio英和辞書「metric」
②アラーム ⚠️ 頻出
は、をしきい値と比較して監視し続け、条件を満たしたときに自動でアクションを実行する機能です。 たとえば「使用率が80%を超えたら管理者へ通知する」といった設定ができます。
アラームには3つの状態があります。
| 状態 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| OK | メトリクスがしきい値の範囲内です。 | 正常な状態です。 |
| ALARM | メトリクスがしきい値を超えています。 | このタイミングでアクションが実行されます。 |
| INSUFFICIENT_DATA | 判定に必要なデータが足りません。 | 異常とは限らず、リソースが停止中の場合などにも表示されます。 |
アラームが実行できる代表的なアクションは次のとおりです。
| アクション | 内容 | 試験でのキーワード |
|---|---|---|
| への通知 | メールなどで管理者へ知らせます。 | 「しきい値を超えたら通知」 |
| の実行 | インスタンスを増減させます。 | 「負荷に応じて自動でスケール」 |
| アクション | インスタンスの停止・再起動・復旧を行います。 | 「使われていないインスタンスを停止してコスト削減」 |
⚠️ 頻出: 「メトリクスがしきい値を超えたときに通知する」という要件は、 アラームと Amazon SNS の組み合わせが答えになります。
Point
- Alarm(アラーム) は「警報」という意味です。目覚まし時計のアラームと同じで、「条件を満たしたら知らせる」仕組みと覚えます。
- Threshold(スレッショルド) は「しきい値」という意味です。問題文の「しきい値」「threshold」はアラームのキーワードです。
- INSUFFICIENT_DATA は Insufficient(不十分な)+ Data(データ) で、「データ不足」という意味です。
- 和訳
- threshold: しきい値、境界
- Weblio英和辞書「threshold」
③CloudWatch Logs
Logs は、アプリケーションやAWSサービスが出力するログを集約し、保管・検索できる機能です。 複数のサーバーに散らばるログを1か所へ集めることで、サーバーへ個別にログインしなくても調査ができます。
| 機能 | 役割 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| ロググループ・ログストリーム | ログを整理して保管する単位です。 | アプリケーションや送信元ごとにログをまとめます。 |
| 保持期間の設定 | ログの保存期間を指定できます。 | 保存期間を調整してコストを管理します。 |
| 保管したログを対話的に検索・分析します。 | 「集めたログからエラーを探す」場合に使います。 | |
| フィルター | ログから数値を抽出してメトリクスにします。 | 「特定のログの出現回数をで監視」に使います。 |
インスタンスや自社サーバー()のログを送信するには、CloudWatch エージェントを導入します。 など一部のサービスは、権限があれば自動的にログを CloudWatch Logs へ出力します。
④ダッシュボード
ダッシュボードは、やの状態をグラフとして並べ、1つの画面で確認できるようにする機能です。 複数ののリソースを1つのダッシュボードにまとめて表示できるため、システム全体の状態把握に役立ちます。
試験では、「複数リソースの状態を1画面で可視化したい」という要件が出たら、ダッシュボードを選びます。
⑤Amazon EventBridge(旧 CloudWatch Events)
は、AWSリソースの状態変化などをイベントとして受け取り、あらかじめ定義したルールに従って別のサービスへ連携するサービスです。 たとえば「 インスタンスが停止したら 関数を実行する」「毎日決まった時刻に処理を起動する」といった使い方ができます。
以前は Events という名前だったため、試験や資料では両方の名前を見かけることがあります。 CLF では、「でサービスをつなぐ・スケジュール実行する」のが EventBridge、と役割だけ押さえれば十分です。
Point
- EventBridge は Event(出来事)+ Bridge(橋) で、「イベントを橋渡しするサービス」と覚えます。
- CloudWatch Events の後継・拡張版が EventBridge です。
- 和訳
- bridge: 橋、橋渡しをする
- Weblio英和辞書「bridge」
⑥CloudTrail・AWS Config との違い ⚠️ 頻出
とよく混同されるのが、 と です。 3つとも「記録する」サービスですが、記録する対象がまったく異なります。
| サービス | 記録・監視するもの | 答える問い | 試験でのキーワード |
|---|---|---|---|
| Amazon CloudWatch | リソースの性能・状態(パフォーマンス) | 「何をしているか」「今どんな状態か」 | 使用率、、、ログ、 |
| AWS CloudTrail | AWSアカウント内の呼び出し履歴 | 「誰が・いつ・何をしたか」 | API コールの記録、操作履歴、監査(Audit) |
| AWS Config | リソースの設定と構成変更の履歴 | 「設定が正しいか」「いつ構成が変わったか」 | 構成変更の履歴、評価 |
⚠️ 頻出: 「誰が を削除したかを調べる」は CloudTrail、「の設定変更の履歴を追う」は AWS Config、「 の CPU使用率を監視する」は CloudWatch です。
Point
- Trail(トレイル) は「足跡、通った跡」という意味です。CloudTrail は「操作の足跡を残すサービス」と覚えます。
- Config は Configuration(構成、設定) の略です。AWS Config は「構成の変化を見張るサービス」と覚えます。
- 和訳
- trail: 足跡、痕跡
- Weblio英和辞書「trail」
試験対策
CLF の問題では、まず「監視・記録したい対象は何か」を確認します。 性能や状態なら 、操作の履歴なら 、構成の変更なら 、と整理すると選びやすくなります。
| 問題文のキーワード | 優先して考える機能・サービス | 理由 |
|---|---|---|
| 使用率を監視 | CloudWatch | 性能データを時系列で収集する機能です。 |
| しきい値を超えたら通知 | CloudWatch + | しきい値監視と通知の基本の組み合わせです。 |
| 負荷に応じて自動でインスタンスを増減 | CloudWatch アラーム + | アラームが Auto Scaling のトリガーになります。 |
| アプリケーションのログを集約・保管 | CloudWatch Logs | ログを一元管理して検索できます。 |
| のメモリ使用率を監視 | CloudWatch エージェント(カスタムメトリクス) | 標準メトリクスに含まれないため追加の仕組みが必要です。 |
| 複数リソースの状態を1画面で可視化 | CloudWatch ダッシュボード | メトリクスやアラームをまとめて表示できます。 |
| スケジュールで処理を起動・イベントで連携 | の連携とスケジュール実行を担当します。 | |
| コールの記録・誰が何をしたか | AWS CloudTrail | 操作履歴の記録は CloudWatch ではありません。 |
| リソース構成の変更履歴・ | AWS Config | 構成変更の記録は CloudWatch ではありません。 |
よくある誤答は、「監視」「記録」という言葉だけで CloudWatch・CloudTrail・AWS Config を取り違えることです。 「何をしているか(パフォーマンス)」なら CloudWatch、「誰が何をしたか(API履歴)」なら CloudTrail、「設定が正しいか(構成変更)」なら AWS Config と、問いの形で覚えます。 また、通知そのものを送るのは Amazon SNS の役割であり、CloudWatch アラームは「いつ通知するかを判断する」役割という分担も押さえておきます。
参考文献
- What is Amazon CloudWatch? - Amazon CloudWatch
- Using Amazon CloudWatch alarms - Amazon CloudWatch
- Monitor your instances using CloudWatch - Amazon EC2
- What is Amazon CloudWatch Logs? - Amazon CloudWatch Logs
- What is Amazon EventBridge? - Amazon EventBridge
- AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02) Exam Guide