CLF / ドメイン3 クラウドテクノロジーとサービス

重要な内容

Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud)

は、AWSクラウド上でを利用できるコンピューティングサービスです。 必要な、メモリ、などを選んでインスタンスを起動し、Webサーバー、業務アプリケーション、開発環境などに利用できます。

CLFでは、EC2の基本用語、他のコンピューティングサービスとの違い、購入オプション、を理解することが重要です。

Point
  • EC2 = Elastic Compute Cloud の略です。
  • Elasticは「伸縮自在な」という意味です。
  • 必要に応じてコンピューティング能力を増減できる仮想サーバーと覚えます。

概要

インスタンスは、AWSクラウド内で動作するです。 利用者はや性能を選び、ソフトウェアをインストールして、用途に合ったサーバーを構築できます。

の物理サーバーとは異なり、機器の購入や設置を待たずにインスタンスを起動できます。 必要な期間だけ利用し、需要に応じて台数や性能を変更できることがクラウドらしい利点です。

概要の図 AMIOS・初期構成 EC2インスタンス インスタンスタイプCPU・メモリなど EBSストレージ セキュリティグループ通信制御 Web・業務アプリケーション

CLFでは、細かな構築手順よりも「仮想サーバーが必要ならEC2」「処理に合うを選ぶ」「利用方法に合う購入オプションを選ぶ」と判断できることが重要です。


主要技術

①インスタンス、AMI、インスタンスタイプ

で起動したをインスタンスと呼びます。 インスタンスを作るときは、でや初期構成を選び、で、メモリ、ストレージ、ネットワーク性能などの組み合わせを選びます。

用語役割判断ポイント
EC2インスタンス実際に稼働する仮想サーバー必要に応じて起動、停止、終了します。
AMIOSやソフトウェア構成を含む起動用イメージ同じ構成のインスタンスを繰り返し起動できます。
インスタンスタイプCPU、メモリなどの性能の組み合わせワークロードの特性に合わせて選びます。
Point
  • AMI = Amazon Machine Image の略です。
  • Imageは、サーバーを起動するためのひな型という意味で使われます。
  • AMIが「中身のひな型」、インスタンスタイプが「性能の大きさ」です。

インスタンスタイプは用途別のファミリーに分かれています。 CLFでは個別の型番よりも、何を重視するファミリーかを判断します。なお、汎用のうちT系はバースト可能なパフォーマンスのインスタンスで、普段は低いCPU使用率で動き、ためたCPUクレジットで一時的にベースラインを超えます。CPUを常に高い使用率で使う処理には、コンピューティング最適化などの固定性能のインスタンスを選びます。

ファミリーの考え方向いている用途問題文のキーワード
汎用CPUとメモリのバランスが必要な一般的な処理Webサーバー、開発環境、小規模データベース
コンピューティング最適化CPU性能を多く使う処理バッチ処理、科学計算、ゲームサーバー
メモリ最適化大容量メモリを使う処理データベース、リアルタイム分析
ストレージ最適化大量のローカルデータを高速処理する用途高いディスクI/O、分散ファイル処理
高速コンピューティングなどのアクセラレーターを使う処理、グラフィックス、高性能計算

⚠️ 頻出: AMIは起動用のひな型、インスタンスタイプはコンピューティング性能の選択です。


②ストレージとネットワーク

インスタンスでは、データの保存先としてをよく利用します。 EBSはEC2に接続するで、の起動ディスクやアプリケーションデータの保存に使います。

選択肢主な用途判断ポイント
Amazon EBSEC2に接続する永続的な仮想ディスクインスタンスを停止しても保持したいデータに使います。
ホストに物理的に接続された一時ストレージ消失しても再作成できる一時データに使います。
画像、ログ、バックアップなどのオブジェクト保存EC2用ディスクではなく、独立したです。
複数のコンピューティングリソースで共有するファイル共有ファイルシステムが必要な場合に使います。

EC2は内で起動します。 はインスタンスに出入りする通信を制御する仮想ファイアウォールです。 Webサーバーならやなど、用途に必要な通信だけを許可します。

⚠️ 頻出: EC2の永続的な仮想ディスクはEBS、複数サーバーで共有するファイルはEFS、大量のオブジェクト保存はS3です。


③可用性と伸縮性

1台のインスタンスだけでシステムを動かすと、そのインスタンスやに障害が発生したときにサービスを継続できない可能性があります。 複数のアベイラビリティーゾーンにインスタンスを配置し、とを組み合わせると、可用性と伸縮性を高められます。

③可用性と伸縮性の図 利用者 Elastic Load Balancing AZ AのEC2 AZ BのEC2 EC2 Auto Scaling
機能役割判断ポイント
Elastic Load Balancing複数のインスタンスへ通信を分散します。1台への集中を避け、正常な宛先へ通信を送ります。
EC2 Auto Scaling需要に応じてインスタンス数を増減します。性能の維持と、需要減少時のコスト削減に役立ちます。
複数AZ配置インスタンスを複数の場所へ分散します。1つのAZの障害に備えます。

⚠️ 頻出: 「需要に応じて台数を自動調整」はEC2 Auto Scaling、「複数のサーバーへ通信を分散」はElastic Load Balancingです。


④購入オプション

には、利用期間、変更の可能性、中断の許容可否などに応じた購入オプションがあります。 最も安い方式だけでなく、ワークロードの性質に合うかを確認します。

購入オプション向いている用途判断ポイント
インスタンス短期利用、利用量が変動する処理、事前契約を避けたい場合長期コミットメントなしで、利用した分を支払います。
一定量のコンピューティング利用を長期間見込める場合一定の利用額を1年または3年間継続する約束で割引を受けます。
特定のEC2構成を長期間、安定して利用する場合一定の構成と期間に対する契約で割引を受けます。
中断に耐えられる柔軟な処理AWSの未使用キャパシティを低コストで利用しますが、中断される可能性があります。
Dedicated Hosts物理サーバー単位の専有が必要な場合ライセンスや要件で検討します。ホスト単位で課金され、ソケット数やコア数が見えます。
ハードウェア専有インスタンス(Dedicated Instances)他のAWSアカウントとハードウェアを共有したくないだけの場合インスタンス単位で課金されます。ホストの構成は見えず、配置も制御できません。
オンデマンドキャパシティ予約特定ので、必要なときに確実に起動できる容量が要る場合期間の約束なしで作成・取り消しができますが、割引はなく、使っていない間も予約分が課金されます。
Point
  • On-Demand は「必要に応じて」という意味です。
  • Spot は、空いているEC2キャパシティを利用する購入方式です。
  • Dedicated Host は、利用者専用の物理ホストです。
  • Savings Plansは利用額へのコミット、リザーブドインスタンスはEC2の一定構成へのコミットという違いを押さえます。

スポットインスタンスは、停止されると困る単一の本番サーバーには向きません。 中断後に再試行できるバッチ処理、分散処理、テストなどで効果を発揮します。

リザーブドインスタンスとSavings Plansには、柔軟性の違う種類があります。

種類割引が続く範囲判断ポイント
スタンダードRI購入時の構成。一部の属性(AZやサイズなど)は変更できます割引が大きい代わりに、別のインスタンスファミリーへの交換はできません。RIマーケットプレイスで売却できます。
コンバーティブルRI契約期間中に、ファミリー、、テナンシーなどの違う別のコンバーティブルRIへ交換できます割引はスタンダードRIより小さくなります。
Compute Savings Plansインスタンスファミリー、サイズ、、OSを問わないEC2と、と最も柔軟なSavings Plansです。
EC2 Instance Savings Plans選んだリージョンの、選んだインスタンスファミリー(サイズとOSは問わない)ファミリーとリージョンを固定する代わりに、Compute Savings Plansより割引が大きくなります。
Database Savings Plans、、、などのデータベースサービス(エンジン、サイズ、リージョンを問わない)2025年12月に始まった、データベース向けの1年間の利用額のコミットです。

RIは購入時に範囲を選びます。リージョンを範囲にしたRIは、そのリージョン内のどのAZの使用にも割引が適用されますが、キャパシティは確保しません。特定のAZを範囲にしたRIは、そのAZのキャパシティも確保します。 の一括請求では、あるアカウントで購入したRIやSavings Plansの割引が、購入したアカウントで使い切れない分について組織内の他のアカウントの使用にも適用されます。この共有は管理アカウントがアカウントごとに無効にできます。

⚠️ 頻出: 「中断可能な処理を低コストで実行」はスポット、「予測不能な短期利用」はオンデマンド、「長期の安定利用」はSavings Plansやリザーブドインスタンスを考えます。


⑤責任共有モデルとセキュリティ

は利用者がを管理できる自由度の高いサービスです。 その分、のような抽象度の高いよりも、利用者が管理する範囲が広くなります。

担当主な責任具体例
AWSクラウド自体のセキュリティデータセンター、物理サーバー、ネットワーク、仮想化基盤を保護します。
利用者クラウド内のセキュリティゲストOSの更新、セキュリティパッチ、アプリケーション、データ、、を管理します。

EC2上のアプリケーションがS3などのAWSサービスを利用する場合は、をサーバーへ直接保存するのではなく、をEC2へ付与します。 また、セキュリティグループでは必要最小限の通信だけを許可します。

⚠️ 頻出: EC2のゲストOSへのパッチ適用は利用者の責任です。AWSが物理インフラを管理していても、EC2内のOSやアプリケーションまで自動的に管理するわけではありません。


⑥他のコンピューティングサービスとの違い

はやサーバー構成を細かく制御したい場合に向いています。 サーバー管理を減らしたい場合は、要件に応じてやなども検討します。

サービス実行単位利用者が主に管理する範囲向いている用途
Amazon EC2OS、アプリケーション、スケーリング構成などOSへのアクセスや柔軟なサーバー構成が必要な処理です。
AWS Lambda関数コードと設定イベントに応じた短時間の処理です。
AWS Fargateコンテナイメージとタスク設定サーバーを管理せずにコンテナを実行したい場合です。

EC2が常に最適とは限りません。 OSを管理する必要がなければ、より抽象度の高いサービスを選ぶことで運用負荷を減らせます。


試験対策

CLFでは、問題文から「を自由に構成したい」「を管理したい」という要件を見つけたらを考えます。 次に、性能、可用性、購入オプション、責任範囲を確認します。

問題文のキーワード優先して考える機能・選択肢理由
AWS上の仮想サーバーAmazon EC2OSやソフトウェアを自由に構成できます。
同じ構成のサーバーを繰り返し起動起動用のひな型を再利用できます。
やメモリの組み合わせを選択ワークロードに合う性能を選べます。
需要に応じてサーバー台数を変更インスタンス数を自動調整できます。
複数サーバーへ通信を分散通信を複数の宛先へ振り分けます。
短期利用、事前契約なしインスタンス長期の利用約束が不要です。
中断可能なバッチ処理未使用キャパシティを低コストで利用できます。
長期の安定した利用または継続利用の約束による割引を利用できます。
OSのパッチ適用担当利用者EC2のゲストOSは利用者の管理範囲です。

よくある誤答は、サーバー管理が不要なサービスだと考えることです。 EC2ではAWSが物理インフラと仮想化基盤を管理しますが、利用者はゲストOSやアプリケーションを管理します。

また、スポットインスタンスは単に「安いEC2」ではありません。 中断を許容し、処理を再試行できることが選択条件です。


参考文献

  1. ※1出題比率: AWS 公式の試験ガイドに記載された、採点対象の設問のうちその分野が占める割合です。

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