CLF / ドメイン3 クラウドテクノロジーとサービス
重要な内容
AWSグローバルインフラストラクチャ
AWSグローバルインフラストラクチャは、AWSが世界中に展開しているデータセンター群と、それらをつなぐネットワークの全体像です。 、、という3つの階層を理解すると、可用性や低遅延に関する問題を判断しやすくなります。
CLFでは、各要素の役割の違いと、「どこにリソースを置くか」を決める判断基準が問われます。
概要
AWSのサービスは、世界各地に配置された物理的なデータセンターの上で動いています。利用者はデータセンターそのものを意識せず、やという単位で利用場所を選びます。
- リージョンは、国や都市レベルの地理的なエリアです。
- アベイラビリティーゾーンは、リージョン内で分離された1つ以上のデータセンターのまとまりです。
- は、利用者のより近くでコンテンツ配信などを行う拠点です。
試験では、「のために複数のアベイラビリティーゾーンを使う」「低遅延配信のためにエッジロケーションを使う」のように、目的と階層を対応付けて判断します。
主要技術
①リージョン ⚠️ 頻出
は、AWSがサービスを提供する地理的なエリアです。東京、大阪、バージニア北部のように世界各地にあり、それぞれが独立して運用されます。
リージョンを選ぶときの判断基準は、試験で頻出です。
| 判断基準 | 内容 | 問題文のキーワード |
|---|---|---|
| データを特定の国や地域に保管する要件を満たします。 | データレジデンシー、法規制、国内にデータを保持 | |
| 利用者との距離 | 利用者に近いリージョンほど遅延が小さくなります。 | 、応答速度 |
| サービスの提供状況 | 新しいサービスは一部リージョンのみで提供されることがあります。 | 利用したいサービスが使えるか |
| 料金 | 同じサービスでもリージョンによって料金が異なります。 |
リージョンに保存したデータは、利用者が明示的に操作しない限り、自動的に他のリージョンへ移動されることはありません。この性質がデータレジデンシー要件の根拠になります。
複数のリージョンを使うのは、次のような場面です。
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| ・事業の継続 | 地域全体の災害でリージョンが使えなくなっても、別のリージョンに用意した環境やデータの複製で業務を続けます。 |
| 遠い地域の利用者への低レイテンシー | 利用者の多い地域に近いリージョンにもアプリケーションを置き、往復の時間を短くします。 |
| データ主権 | 国や地域ごとに保管場所の規制がある場合、その地域の顧客のデータをその地域のリージョンに置き分けます。 |
Point
- Region は「地域」という意味です。
- Data Residency(データレジデンシー) は、データの物理的な保管場所を特定の国や地域に限定する要件です。
- Residency: 居住、駐在
- Weblio英和辞書「residency」
- 「データを国内に保持する必要がある」という問題文では、リージョンの選択が答えの軸になります。
②アベイラビリティーゾーン ⚠️ 頻出
(AZ)は、内にある1つ以上のデータセンターのまとまりです。各リージョンは複数のAZで構成されます。
AZ同士は、電源、冷却、ネットワークが物理的に分離されており、離れた場所に配置されています。一方で、AZ間は低遅延の専用ネットワークで接続されているため、複数のAZにまたがる構成でも高速に通信できます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 物理的な分離 | 1つのAZの障害(停電、災害など)が他のAZへ波及しにくい構成です。 |
| 低遅延接続 | AZ間は高速なネットワークで接続され、同期的な連携が可能です。 |
| の単位 | 複数のAZへリソースを分散することで、可用性を高めます。 |
複数のAZにリソースを配置する構成を構成と呼びます。1つのAZが停止しても他のAZで処理を継続できるため、高可用性を求める問題ではマルチAZ構成が答えの中心になります。
Point
- AZ = Availability Zone(アベイラビリティーゾーン) の略です。
- Availability: 可用性、利用できること
- Weblio英和辞書「availability」
- 「1つのデータセンターの障害に耐えたい」→ マルチAZ、「1つの地域全体の災害に耐えたい」→ マルチリージョン、と範囲で使い分けます。
③エッジロケーション ⚠️ 頻出
は、よりも数多く、利用者のより近くに配置された小規模な拠点です。コンテンツ配信や応答など、利用者との距離が性能に直結する処理を担当します。
エッジロケーションを利用する代表的なサービスは次のとおりです。
| サービス | 役割 | 問題文のキーワード |
|---|---|---|
| コンテンツ配信ネットワーク()です。画像や動画をエッジにし、近くから配信します。 | 静的コンテンツ、低遅延配信、世界中の利用者 | |
| DNSサービスです。エッジからドメイン名の問い合わせに応答します。 | ドメイン名、DNS | |
| AWSのネットワーク網を使って、利用者から最適な地点への経路を提供します。 | ネットワーク経路の最適化、固定 |
リージョンを増やさなくても、CloudFrontを使えば世界中の利用者へ低遅延でコンテンツを届けられます。「アプリケーションは1つのリージョンのまま、世界中への配信を速くしたい」という問題文では、エッジロケーション系のサービスを選びます。
Point
- Edge は「端、縁」という意味で、ネットワークの末端=利用者に近い場所を指します。
- CDN = Content Delivery Network(コンテンツ配信ネットワーク) の略です。
- CloudFrontがコンテンツをキャッシュする、Route 53が名前解決する、と役割をセットで覚えます。
④Local Zones・Wavelength・Outposts
とだけでは満たせない、特殊な低遅延要件や要件に応える拡張オプションです。CLFでは、それぞれの用途の違いを判断できれば十分です。
| サービス | 配置場所 | 用途 | 問題文のキーワード |
|---|---|---|---|
| AWS Local Zones | 大都市の近く | 特定の都市の利用者へ、ミリ秒単位の低遅延でコンピューティングを提供します。 | 特定都市、超低遅延 |
| 通信事業者の5Gネットワーク内 | モバイル端末からの通信を5G網内で処理し、遅延を最小化します。 | 5G、モバイルアプリの低遅延 | |
| 利用者のデータセンター内 | AWSのハードウェアをオンプレミスに設置し、AWSと同じで運用します。 | オンプレミス、自社設備内でAWSを利用 |
Local ZonesとOutpostsは、どちらも独立したリージョンではなく、親リージョンの延長として動きます。Local Zonesは有効化したあと、親リージョンのにLocal Zoneのを作ってリソースを置きます。Outpostsはサービスリンクと呼ばれる接続で親リージョンとつながり、その接続を通じてAWSが管理します。
Point
- Outposts の Outpost は「前哨基地、出先拠点」という意味です。AWSの拠点を自社内に置くイメージです。
- Wavelength は「波長」という意味で、電波(5G)に関連するサービスと結び付けて覚えます。
試験対策
| 問題文のキーワード | 優先して考える要素 | 理由 |
|---|---|---|
| データを特定の国に保管したい | の選択 | データは選択したリージョンから自動で移動されません。 |
| 1つのデータセンター障害に耐えたい | 構成 | は物理的に分離されており、障害の影響を局所化できます。 |
| 地域全体の災害に備えたい | 構成 | リージョン間は地理的に大きく離れています。 |
| 世界中の利用者へ静的コンテンツを高速配信したい | () | 利用者の近くのから配信できます。 |
| 5G経由のモバイルアプリの遅延を最小化したい | 5Gネットワーク内で処理を完結できます。 | |
| 自社データセンター内でAWSサービスを使いたい | AWSのインフラをへ拡張できます。 |
よくある混同ポイントは次のとおりです。
- リージョンとAZの関係が逆になっている選択肢に注意します。AZが集まってリージョンを構成します。
- の基本はマルチAZです。マルチリージョンは、より広域の災害対策や世界展開の文脈で選びます。
- 「低遅延」というキーワードだけで判断せず、対象を確認します。世界中への配信ならCloudFront、特定都市ならLocal Zones、5GモバイルならWavelengthです。